お世辞にも広いとは言えない半空店内。所狭しと古本が並ぶその中には半空文学賞で募集した過去の作品もファイリングされ、訪れた人が手に取って読めるようになっている。
自分で投稿した作品を広げて談笑する人、肩を寄せ合ってはにかみながら作品を眺めている人、次から次へとファイルを手に取り熱心に作品を読んでいる人、座った席の目の前に置かれたファイルにおずおずと手を伸ばそうか躊躇っている人。
たくさん寄せられた誰かの作品は、他の誰かに読まれることでちょっとした勇気や救いになったりすることもあるのだろう。
年を重ねる毎に味わい深くなるファイルたちを手に取るたび、そんなことを思い浮かべる。作品が結ぶ数々の縁、私たちにとっても大切な宝物だ。
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